How to
弾かないときや保管時は弦を緩めるべき?
2016.03.17
2019.07.05
ネックがそってしまった経験がある方や大切に長く使いたいと思うギターやベースの所有者であれば一度は、「演奏しないときや保管時は弦を緩めたほうがネックによいのではないか」と考えるのではないでしょうか。
私も気になってネットで調べてみたところ実に色々な意見があり、「これといった正解はなさそう」というのが感想です。
例えばベースの場合、レギュラーチューニングで弦の張力は約80Kgといわれていて、しかもギターよりもネックが長くジャズべであればギターよりもネックが細かったりします。物理的に考えれば常に緩めずにいると順ぞりするのは当然といえば当然のような気もします。
しかし、緩めるにしてもバランスよく緩めないと「ねじれ」の原因にもなりますし、締める・緩めるの動作自体ネックによくないのではという意見も納得できます。
とはいえ実際どうなのかという部分を私の実例で紹介したいと思います。
1999年製ジャズベースの例
シリアル番号から判別すると1999年~2002年に製造されたもので、2000年2月に新品購入した「Fender JAPAN JB75-90US」というベースの実例です。
弦はD’AddarioのMEDIUMゲージ(一般的なセットに比べて1弦と2弦が少し太いセット)でほとんどの期間この弦を張っていて、チューニングはその時のバンドにより変化しレギュラーかハーフダウンのどちらかとなります。
保管方法はいたってシンプルで演奏後やスタジオ後は一般的なスタンドにポンと置くだけ、つまり緩めたりはしていません。
気になるネック状態はいかに
このような条件で16年経過していますが、実はトラスロッドでネック調整したのは1度だけです。
しかもそれはネックが問題で行ったのではなく、フレットの消耗によって少しビビる箇所がでてきたので、あえて少しだけ順ぞりに調整した1回です。
私の場合ハーフダウンを標準にしている時期も長かったのでそれもあるかもしれませんが、実際は神経質にならなくてもよいのかもしれません。
しかし
このジャズベースは、常に手に取り練習するいわば普段使い用。
使用頻度も高く弦交換も月1回ペースで行っています。
逆に長期的にスタンドに立てかけ使用していなかったベースの場合はどうでしょうか。
実家に3年ほど放置していたStingrayの例
ジャズベースに比べてネックも太くがっちりした印象のStingrayを実家に3年ほど放置していました。 特に湿気が強いわけでもない部屋にレギュラーチューニングのままスタンドに立てかけていたのですが、 見事に順ぞりしていました。
トラスロッドで調整し、その後はハーフダウンチューニングで保管し、たまに手に取るようにしています。 調整後は特に変化なく安定している印象です。
私の結論
「ハーフダウンチューニングは保管に向いているのではないか」という仮説と、「一定の愛情(弾くこと)をしないとやはり楽器はだめになる」という都市伝説を導き出しました。
数値的根拠があるわけではありませんが、弾いた後に毎回緩める行為はやはり面倒ですし、色々なことを気にして結果楽器に触らなくなるのであれば、逆にそんなこと気にしないでどんどん演奏するほうがいいのではないかと思います。
最後に私が通う楽器屋の見解を。
- 長期保管の際は少し弦を緩めて楽器用の乾燥剤をいれたハードケースに保管
- 普段使いのベースであれば気にしなくてもよい
とのこと。
乾燥剤はほのかに香りがついた「Grecoの湿度調整剤 ドライクルー レモン」を私は愛用しています。
参考になれば幸いです。